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水曜日の動静

 もう45歳のネズミ人間になっていたのか。きのう、昭和と平成をまたいで全国を震撼(しんかん)させた幼女連続誘拐殺人事件の犯人、宮崎勤死刑囚の刑が執行された。26歳の「おたく」青年は、逮捕から20年近く生きながらえたが、殺された子供たち4人はかわいい盛りで時計が止まったままだ。
 鳩山邦夫法相は、就任以来13人の死刑執行を命じた。平成では最多の執行数とあって、「鳩山法相は、ほぼ2カ月おきに死刑を執行し、ベルトコンベヤーのごとく処理している」とかみついた国会議員の集団がある。
 亀井静香氏が会長を務め、加藤紘一、福島瑞穂両氏といったおなじみの面々も名前を連ねている超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」だ。亀井氏は鳩山氏を「法相の資格もなければ、人間の資格もない」とまで口を極めて罵(ののし)ったことがあるが、正義は鳩山氏の方にある。
 刑事訴訟法475条は、死刑が確定すれば、法相は再審請求が出ているときなどを除いて6カ月以内に刑の執行を命令しなければならない、と定めている。宗教上の理由などから在任中、死刑執行の命令を一度もしなかった法相が何人かいるが、彼らこそ法律違反者だ。
 神ならぬ人間が人間を裁き、死をもって罪を贖(あがな)わすのはいかがなものか。国家による殺人だ、という死刑廃止論者の理屈は一見、もっともにみえる。だが、凶悪犯の衣食住を保障し、国民の税金で一生のうのうと過ごさせることが社会正義にかなうはずがない。
 2年前に刑が確定した麻原彰晃死刑囚も宮崎死刑囚同様、自ら罪を悔い、遺族に謝罪する可能性はゼロに近い。欧州連合(EU)では、死刑を廃止しているので日本も、という出羽(でわの)守(かみ)は、さっさと文明の都、パリあたりに移住されてはいかがか。

【本日付 産経抄
三権分立の面からいえば、三審を経て出された結論は尊重しなくては。逮捕拘留から始まって起訴、検証、判決、検証、判決の繰り返し。関わった多くの人々が費やした時間と手間。それを「俺、死刑反対派だから」で執行を拒否するのは、独裁。

海外で死刑制度が少数派なのは、事実。でも、だから日本も廃止しなくてはならない、という根拠にはなりません。
人権論でいえば、例えばアフリカの某国では割礼が残っていて、子どもが衛生的にも悪い環境下に置かれている、と聞けば、今どきそれはないだろう、と。
非力な子どもを、年齢に達したからと押さえつけて刃をあてるのは可哀そう。これと比べれば死刑は、少なくとも人を殺めねば適用されません。「サルバドールの朝」や「白バラの祈り」の時代ならまだしも。
他者の人権を奪った者の人権を考えるのは、違和感があります。冤罪を問題に挙げる向きもありますが、捜査や裁判の過程の問題で、制度の当否には馴染みません。

国民性も関係します。割礼は野蛮に思えますが、その土地の民にとっては重要な儀式。
家に土足で踏み込む欧米人を日本人が「野蛮だ」と咎めたら靴を脱ぐか。日本は拳銃を持たないから米国も持つなと言ったら銃を捨てるか。日本は核兵器を持たないから大国も放棄してよという話に乗るか。
風土と歴史で死生観には違いがありますし、死刑制度が日本で受け入れられているのもまた事実。山形新聞サイトより借用

今後、裁判員が嫌がるとかで死刑制度支持率は下がるかもしれません。そのときに気運が高まれば、廃止もありえましょう。
廃止できるのは、立法府の議員さんだけ。死刑執行のたびに議連のセンセイ方が声明を出しますが、そんなに反対なら日頃から積極的に廃止の法案を出せばいい。

今の法相は、法相の仕事を法律通り行っているだけ。キャラには難があるかもしれませんが、その仕事ぶりを批判的に伝えるマスコミも偏っている。
午前 顧問懇談。協会ほか。
午後 帰社。顧問と明日の打合せ。
 会食(とんあり)。