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【読後感】 ひきこもれ

ひきこもれ ― ひとりの時間をもつということ 吉本 隆明 / / 大和書房

ひきこもり自体が悪ではない、というスタンスから語り出しますが、不登校から教育問題、いじめ、子どもの自殺に話が及び、文学者の自殺、死とは何か、に至り、戦争論。80歳を迎えんとする思想家の現代分析は、自らの半生の反省でもあり、死と向き合う姿勢を己にも問いかけています。
というか、聞き取りの構成ですが、編集者もよくまとめました。

なるほど、若者の方が死を気にせず冒険に出向き、勢いで死ぬことが多く、一方老いると、生にしがみつくようなところがあるのはわかります。自然死ほど難しい。
いわば眠るのにも体力を使うのと同じでしょう。若い頃はいくら寝ても足りないのが、年取ってくると目覚めが早い。
私も最近、5時には目を覚まします。とりあえずテレビをつけます。この時間にやってる番組って、異様な響きがあります。早朝からじゃんけんぽん。も少し経てばめざましテレビが始まる、という頃合に、二度寝も始まります。

著者自身がひきこもりのなれのはてだそうです。なれのはて、は私が勝手に書きました。ご本人はひきこもりを任じてますが、自称であり、今でいうそれとは若干異なるかとは思います。
物書きになったのが、しゃべるよりも書く方が伝えやすいと考えたからだそうで。
この辺は私も同じ。思想家と同じ、なんておこがましいけど。このブログもそういう趣旨です。口下手だから、書く。
図書館で借りました
by top_of_kaisya | 2007-01-28 14:53 | 読/見/観