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アイヌ文様の美 + ミュージアム・コンサート


北海道といえばアイヌ、と連想できるひとは、道外に多いことでしょう。上川方面などアイヌ文化保存に積極的(これも先入観かもしれませんが)な地域なら意識されているかもしれません。少なくとも札幌市民の日常生活にアイヌの方々が登場することはないでしょう。

北海道の子どもは、今はどうかはわかりませんが、私たちの小学生くらいの頃なら必ず、かつて北海道にはアイヌの人々が暮らしていた、そこに和人がやってきた、というストーリーで教育を受けています。それに関する社会科見学で、どこぞの博物館へ行き、当時のアイヌの人々の暮らしを模型を見ながら学んだり。

それによって民俗学に目覚めた、或いは影響を受けて柳田國男のようになりたいと願望を持った、というひともなかにはいるでしょう。
私はまったく興味がわきませんでした。子供心にその博物館の陳列が子ども騙し、陳腐に感じられたものです。時系列に展示していくことで、整理されるのは資料の側で、見る側には歴史を追う疲労感が残ります。

今回の展示は、時系列・ライフスタイルを越えて、デザインの美しさに特化しています。衣服の独特な文様はもちろん、狩猟道具などの彫り物はとてもユニーク。
英訳でアイヌをaborigineと伝えられています。アボリジニといえばそのまま豪州の先住民に通じます。その豪州アボリジニの文様や色使いにも似ています。アースカラーとでもいうのでしょうか。

テーマを絞り切るとアイヌ民族の美的センスが浮き彫りにされ、興味がわきます。こうした展示が小学生の頃にあったからといって柳田國男にはなれませんが。

展示を見終えたら、講堂へ。トンコリ奏者OKIさんの演奏を聴きます。13:30から1時間程度の予定でしたが、30分ほどオーバー。満席。

トンコリ
OKI / / インディペンデントレーベル

北海道立近代美術館にて
 
by top_of_kaisya | 2006-12-23 18:32 | 読/見/観