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【読後感】 日本をいかに説明するか

日本をいかに説明するか ― 文化の三点測量 平川 祐弘 / 葦書房

あいかわらずタイトルを控えていただけの本です。中央図書館で直接借りました。タイトルメモの本では90年代の本が続きましたが、同書は2001年と比較的新しい方です。
でも「国家の品格」の登場の4年前の本。比較的新しい方とはいえ、この論調では古い方です。

内容は、まさに「国家の品格」とベクトルが同じ。大学の先生という職業も同じ。なのに藤原先生はこの持論の第一人者のようにかつがれ、平川先生はそれほどの盛り上がりを見せなかったのは、やはりタイトルの付け方と新書のような手軽さ、の違いでしょうか。

「国家の品格」のタイトルは「さおだけ屋は―」などと共に、タイトルの付け方が秀逸な例として挙げられます。また新書ブームの中、平川先生の400頁のボリュームは、重い。

藤原先生も平川先生も売れることを目指して書かれているわけではない(と思われる)ものの、この論調は広く日本人に浸透してほしいものです。藤原先生の著書はコンパクトで、面白おかしく書かれています。一方平川先生は、少々毒舌も交えられている模様。文化・政治・宗教など、日本は卑下するべきではない、との内容では同じかと。
平川先生の著書の構成は、副題にもあるとおり三点測量。客観的な俯瞰を取り入れてみたら議論がもっとしっかりとしたものになるよ、という視点を、御自身の海外暮らしなどの経験を含め、実証しています。

測量会社としては黙っていられない副題です(笑)

秋に移行しつつあるようで、今日は風は冷たいものの、陽だまりではまだポカポカ温まれました。いつもは大通公園でゴロゴロしますが、この本はマンション向かいの二中公園でブランコに揺られながら読みました。普段この公園での休憩はベンチですが、ちょうどポカポカする場所だったので。たまには揺られて童心にかえろうと。
土曜とはいえ秋分の日。一応祝日。週休二日では関係ないけど。
隣のブランコに就学前くらいの少年が乗ってきました。つかまえて読み聞かせたくなりました。日本人としての彼の将来のために(笑)

図書館で借りました
by top_of_kaisya | 2006-09-23 18:28 | 読/見/観