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いとこの告別式

昨晩と同じ冨岡斎場にて執り行われました。

銅版画家の山本容子さんも駆けつけてくださいました。山本さんの原画を、いとこがモザイクで表現する、という仕事の関係です。
そうした大きな作品から、小さなデザインまで、天職を見出したようにあちこちで石を割って作り上げていたのでした。
いとこは、これから、というところで病に倒れたため、山本さんのように作家として名を残すところまで至りませんでした。が、彼女が貼り付けたモザイクは、形として全国各地に残ります。

出棺。叔母、つまり彼女の母親が、棺にすがりついて泣いていました。
叔父貴の葬儀で「私が先に死んでいたら親不孝になるところだった」と、いとこが冗談半分に言っていたのを思い出しました。その頃はまだ歩けたものの、時折横になるほどしんどかったようで、病状の進行も自覚していたのかもしれません。でも、もうひとりの親、母親の先は越してしまったわけです。

病状の進行、といえば、喪主あいさつで「みなさまには突然のことで驚かれたかと」という一節がありました。
いとこは、周囲に心配させまい、治ってまた普通に友人たちと接したい、との思いから、病気のことは我々近親者にしか言っていなかったらしいのです。私は、遠方に住んでいるし、仕事や交友関係にも疎いので、そのことをその場で初めて知りました。参列に来てくださった方々の動揺が、確かに病死というよりは事故死のような様相でした。

さらに喪主のあいさつ。「一緒に年を取っていくものと思っていたので…」との言葉に、泣きました。
学生時分からの付き合いですから人生のちょうど半分を一緒に過ごしたことになります。いい旦那で、ラブラブで、うらやましい夫婦でした。
結婚式のとき、私は大阪で学部の2回生でした。結婚式が追試の日。進級がかかっていたため結婚式はやむなく欠席という、漫画のような不義理をしでかし、追試終了後、その足で新幹線に飛び乗り、青山での二次会に駆けつけたものです。
結婚式に間に合わなかったのに、葬式に間に合うとは。

よいお別れ、というには42歳はあまりにも若いです。
by top_of_kaisya | 2006-08-10 16:14 | 私的所感