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【読後感】 君子の交わり、小人の交わり

君子の交わり、小人の交わり ― 日中関係を90度ずらす
 養老 孟司 + 王 敏 / 中公新書クラレ

養老先生の対談新書ではテリー伊藤氏茂木先生のを読んできました。結局は養老先生に教えを乞う、という構成が印象に残るのは、共通項。ただ王さんの場合は、手持ちのデータを並べたり、持論を展開する箇所が目立ちます。この辺は日本人はなんやかんやで「先生に対する遠慮」が作用するのに対し、言うべきことは言う、という中国人の国民性の表れなのでしょうか。
対談のなかでも、日中のそうした違いを互いに出し合ってます。意見がぶつかるわけではないので、淡々と会話が続くだけです。抑揚が無いため、途中で挿入されているコラムの必要性は高まります。
余談ですが、北大大学院在学中にお世話になった先生に「王さん」という中国人女性がいらっしゃいます。本書の王さんよりも日本滞在歴は短いと思います。日本語会話に不自由しないどころか日本語で論文を書けるし、学生に指導もしています。でもイントネーションは明らかに、中国の方が日本語を話す時のそれ。そんな北大の王さんの口調を思い出しながら読みました。



■ これまで読んだ養老先生の12冊 ■
バカの壁」(再読)
死の壁
からだを読む
養老孟司の<逆さメガネ>
唯脳論」(再読)
まともな人
いちばん大事なこと
こまった人
無思想の発見
スルメを見てイカがわかるか!
日本人の正体
超バカの壁
 
by top_of_kaisya | 2006-07-08 23:04