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【読後感】 倒錯

倒錯―幼女連続殺人事件と妄想の時代 伊丹 十三 福島 章 岸田 秀 / ネスコ

90年の本です。宮崎事件がまだ生々しい頃です。もう15年経った本です。
伊丹さんはもうこの世にはいません。でも臨場感あふれる対談です。
対談だから臨場感があふれるのか。専門家がそろっているのに
「どうしてなんだろうねぇ」的な緩さが時々現れて、その効果なのか、飽きません。それにしても
平成元年だけでも相当な数の猟奇的事件が勃発していることがわかります。
欲望はおさえつけるから爆発する、だからはけ口をみつけなければならない、というのは違う。
欲望というのは物語である。物語を変えれば欲望はなくなる…とか、なんとなくわかる難しい話が
あちこちで出てきて、緩さのなかにも緊張感が必要な対談です。
 
by top_of_kaisya | 2005-09-14 22:25 | 読/見/観