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【講演】 今野勉講演「テレビの嘘を見破る」

メディア・アンビシャスのシンポジウム「メディアよ、大志を抱け」。前半、講演会部分だけ聴きました。立ち見。
講師はTBS出身、現在はテレビマンユニオンの副会長。

放送人の会に関する人間=放送業界のベテランの、世間知らずをつくづく思い知らされます。
講演の演題は、著書によります。そこでは、「やらせ」と工夫の違いを述べているそうです。「工夫」という言葉を今野氏は多用します。要するに演出のことです。この言葉の使い分けからして、逃げの姿勢が見えます。つまり捏造とは違うんだよ、と。せっかく「工夫」して作った番組をやらせとは心外な!という開き直りですね。

先達の言葉を引用して曰く「法令遵守はジャーナリズムを滅ぼす」ですと。どこかで聞いたことのある言葉です。
法律を守るなとは言わないけれど、そればかりでは報道できない。コンプライアンスばかりでは萎縮して報道できない。のですと。
そのメディアが求めているのが、企業や役所の「法令遵守」。役人を「萎縮」させて発注業務をいびつなものにさせ、経済を停滞させておきながら、手前どもは「法令遵守」の埒外だと言いたいのですね。

頼んでもいない「国民の知る権利」をふりかざし、報道被害者には「報道の自由」で対抗。
電波は総務省の割り振りで新規参入を排除、新聞は特別な存在だと独禁法の適用除外。
ここまで守られているメディアが、今さら「やらせ」(工夫)がしづらくなって仕事がしづらくなって、景気悪いから広告も集まらなくて制作費削減されてと被害者面して愚痴るのが気に食わない。

テレビの嘘を見破る (新潮新書) 今野 勉 / 新潮社よい番組作りの提言として、よい番組を「誉める」のを推奨しています。何もかも、些細なもの、天災でさえも「誰かのせい」にしなければ気が済まないメディアが、徹底して責任転嫁し、批判し、他者を貶めることしかしないメディアが、メディア同士は誉めて伸ばすのですと。笑わせるな。

■ 紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて
 
by top_of_kaisya | 2009-08-14 15:01 | 読/見/観