【読後感】 現代の貧困

現代の貧困 ― ワーキングプア/ホームレス/生活保護
岩田 正美 / / ちくま新書

格差社会だのワーキングプアだの、最近の事象のように言われていますが、今に始まったことではありません。著者は長年この分野の研究を続けているため、何をいまさらと憤っています。その憤りが噴出しているので、時折読みづらい点もあります。
コンビニは、賞味期限の切れた弁当がホームレスに渡らないよう、水をかけたりタバコの吸い殻と一緒に廃棄します。「賞味期限切れの食品はもはや食品ではない」。「飢え死にしても仕方がないが、自分のところの賞味期限切れの弁当で腹をこわされてはかなわない」。これが不徹底だと勢い、もったいないからと賞味期限を延長した「白い恋人」や赤福に振り子が振り切ってしまうわけです。

なお、本書にはビッグイシューはまったく登場しません。欧米の事例をこれでもかと紹介してくれているのに。私が所属する日本寄せ場学会もいまだ、学会として支持するかしないか、研究の対象になるか否かも表明していません。
著者は貧困を「あってはならないもの」とし、社会が「再発見」しなければならないものと位置付けています。でもビッグイシューという自立支援策は、残念ながらまだ発見されていないご様子。寄せ場学会然り。純粋な学者ほど社会的企業も「あってはならないもの」としたいのかと疑ってしまいます。市民団体も同様、貧困を扱う方々の根底には「企業」を敵視しなければならないというイデオロギーが染み付いているような。

貧困問題解決の遅れを、学者も市民活動家も総じて行政責任と断じます。半分はそうかもしれません。が、残りの半分は学者と市民活動家のイデオロギーが足を引っ張っているのでは。貧困が根絶して困るのは、研究テーマが奪われる学者と目的を見失う市民活動家なので。
とか書いてたらまた「ブルジョワは黙れ」と突き上げられるのでこの辺で♪
図書館で借りました
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by top_of_kaisya | 2007-12-01 23:44 | 読/見/観 | Trackback | Comments(0)
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