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月曜日の動静

本日の道新に「ダーウィンの悪夢」について解説記事が載っています。映画評から、身近な話、例えばナイルパーチが北海道ではどのように流通しているか、という切口は、遠いアフリカの話ではないなぁ、と感じられます。
そのなかで
 発展途上国の製品を適正価格で買い取る「フェアトレード」運動を進めている「環境友好雑貨店これからや」(札幌)は、「相場よりも安い値段の背景には、低賃金労働や経済的な格差がある。この肉や魚はどこから来たのか、なぜ安いのかなどを考えて買い物してほしい」と話す。
とあります。フェアトレードには私も関心がありました。ただここで触れたいのは「適正価格」。まさしく安い背景には理由があります。国内・道内でも「なんでこんな値段で落札できるの?」という入札結果には、ワケがあります。その背景を考えずに「入札率が60%台になりましたぁ!いかに税金の無駄遣いだったか!」と喜ぶ市民団体は、スーパーで白身魚を見たら建設業界の矛盾にも思いを馳せてください。タンザニアだけでなく札幌の中小企業も大変なのです。
午前 名塩夫人お別れの会(パークホテル)。
午後 帰社。社内打合せ。会議。
オーマイニュース今朝7時、書評が掲載されました。
朝日vs産経 ソウル発」です。




『朝日vs産経 ソウル発』 黒田勝弘・市川速水著
 この対談のおもしろさを道民に伝えたい

 『読売vs朝日』(2004年8月、中央公論新社)という新書はすでに出ていますが、”朝日vs産経”はこれが初めて。朝日新聞社が新書に参入し、早速出てきた企画がこんな挑発的な対談とはうれしい限りです。

 全国紙で朝日に真っ向対立した論陣を張っているのは、ほかでもない産経です。朝日は「金持ち喧嘩(けんか)せず」の姿勢を貫くかのように、産経紙上での朝日攻撃を黙殺してきました。しかし最近では、そんな朝日も社説で産経の攻撃に応戦するようになりました。

 本書は、このように対立する両社のソウル支局長が、朝鮮半島情勢をさかなに持論をぶつけ合う構成です。両紙を併読するかのようなガチンコ勝負。一方で、黒田勝弘・産経支局長がかつては贖罪(しょくざい)史観だったとカミングアウトすれば、市川速水・朝日前支局長も自社の紙面を良しとしないところがあったり。相譲らない対談は、読んでいてハラハラしますが、互いに意見を尊重している様子が見えるのもまたうれしいものです。

 さて、先に「全国紙」と書きましたが、産経新聞は北海道では販売されていません(一部実験的に並べているホテルを除く)。生粋の道民は、産経新聞を知りません。日経新聞と間違える人の方が多いほどです。そんな北海道で産経を読むには、東京から取り寄せることになります。配達を委託された新聞販売店が届けてくれますが、半日遅れます。つまりその日の朝刊が、夕刊配達時に届くわけです。そこまでして産経を読みたがるのは、本州からの転勤者か、コアな産経ファンです。

 その意味で、本書は北海道での売れ行きをあてにしていないかのような企画です。その点でも挑発的な対談といえます。


朝日新聞社
735円(税込み)
2006年12月
新書判並製
©2007 OhmyNews