人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【読後感】 風土

風土 ― 人間学的考察 和辻 哲郎 / / ワイド版岩波文庫

少しアメリカナイズされると、food。
駄洒落です。でもあながち間違ったネタでもなく、地域による食文化にも触れています。

昭和3~4年頃に書かれた古典です。読めば眠くなります。人文地理とは別物として読むものと著者は記していますが、最後には調査文献の不足を反省し、さらに解説では本書への批判・反論書が多く登場している旨も紹介されています。その点で人間味に満ちた古典、ともいえます。

モンスーン・砂漠・牧場の3つに分類し、世界の文化・風俗を捉えています。
家にしても、寒さをしのぐ工夫が古くから取り入れられています。当たり前の話ですが、それこそが風土に根差した生活様式です。「洋服」も、昭和に入って尚、「洋」服。平成の今でも、当然のように毎日着ていますが、日本の服ではなく「洋」服。和辻先生が御存命なら、札幌のこの時季、ナマ足で闊歩する女子高生を見て、嘆くことでしょう。タイツを履け!と。いや先生、そこはストッキングで。

家といえば日本は「うち」と捉えます。夫は「うちの人」、妻は「家内」。ちょっと古く感じますが親の世代までは当然の語彙です。欧州なら、家の中、部屋単位で「うち」「そと」が仕切られていて、鍵も部屋毎。確かに和風ではふすま一枚の隔てです。来週には節分を迎えます。鬼は外。

図書館で借りました
by top_of_kaisya | 2007-01-28 12:32 | 読/見/観