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【読後感】 「白雪姫」とフェティシュ信仰

「白雪姫」とフェティシュ信仰 石塚 正英 / / 理想社

95年本です。先日出てきたメモに基づき、図書館で借りました。10年前、何故この本を読みたかったのか、は、タイトルが教えてくれます。靴下フェチだとかいうところの語源ではありますが、学術本ですからフェチとフェティシュの相違における現代的考察なんて書いてくれてません。宮台先生なら当然のように書かれるかもしれませんが。

などと邪な動機で借りた本ですが、なかなかに面白い内容。グリム兄弟が手掛けた時代背景から、物語顛末の書き直しの変遷、各時代によって権力者に利用されるものの、その捉え方も様々。さらに聖書を読み解くことで物語の示すところを解析しますが、この辺はやはり学術的で理解に苦しみました。とはいえキリスト教の布教における崇拝対象物の破壊や妥協になると、事例が細かく、例えば四月馬鹿(エイプリルフール)などもその一種として紹介されると好奇心もわくというもの。魔女狩りとの関連性で白雪姫につなげられている、とこの構成を解釈しました。

ドイツの民話が米国に渡り、ディズニーによって美化される経緯を追い、最後には戦後日本の世相まで絡んで、サザエさんさえ登場するほど。このような童話の読み方もまた一興。

図書館で借りました
by top_of_kaisya | 2007-01-08 16:37 | 読/見/観