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【読後感】 朝鮮総連と収容所共和国

朝鮮総連と収容所共和国 李 英和 / / 小学館文庫

もう9年前になりますが、平壌へ行ってきました。大学院のM1当時。教授に「帰ってこられるのか?」と心配されたものです。

その以前に、会長(当時社長)が北朝鮮へ渡航しております。行ってはいけないところへ行くのがクセなので、その後も邦人誘拐事件直後のキルギスに行っては外務省に叱られてます。それでも自力で帰ってこられるのであればと好きにさせてました。客死ならそれも本望かと。それがエクアドルでぎっくり腰になったから迎えに来い、と。私が社長就任直後の挨拶回りに奔走しているタイミングで。やはり家族に迷惑はかかるものだとわかりました。1983年7月 反帝・親善・平和のための世界ジャーナリスト大会で発言する田宮高麿(「かりの会」帰国支援センターサイト)

話がそれました。その会長、北朝鮮から帰国したらすぐに公安調査局から調査が入りました。なにせ故金丸信氏が北朝鮮への渡航が決定したニュースで流されたVTRに会長が映っていたほどの先駆者。在日朝鮮人でもないのにどういう意味合いで行かれたのか、と。

私も帰国したら早速、公安調査局から連絡がありました。お話を聞かせてほしい、と。担当官は、会長から事情聴取したときと同じ方。親子で何やってるんだろうと思ったことでしょう。

さらに大阪市立大では田宮高麿の後輩にあたります。いまさら赤軍だのよど号だのではありませんが、そういう話題にもなりました。
などと何度かお話しているうちに情報交換の場と化し、北朝鮮関連でこんな本がありますよ、とか、今度朝鮮学校でイベントがありますね、とか。当時は今ほど北朝鮮についての書籍が手に入らなかったものです。

渡航前に読んだ本では、会長から薦められた
凍土の共和国 ― 北朝鮮幻滅紀行」金 元祚 / / 亜紀書房


個人的に先輩の考えを覗いてみようと
祖国と民族を語る ― 田宮高麿ロングインタビュー」高沢 皓司 / / 批評社

ほかに田宮先輩の著書「遺稿「民族論」」(紫翠会出版)というのもあります。


さて本書は95年に発行された本の文庫版。99年に発売されました。その辺りからどんどん北朝鮮本が世に溢れ始めたもので、本書も積んだままでした。いまさら読んでみると、当時はこれだけでも驚きの連続だったのだろうなぁ、と。日本人拉致については最後の最後に列挙で触れているだけです。とにかく総連と北朝鮮体制への憤りで満載です。ようやく再開した6カ国協議がまたも北朝鮮に振り回されている折。この本はそれ以前の問題だった頃の話です。
 
by top_of_kaisya | 2006-12-22 12:08 | 読/見/観