人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グエムル


予め怪物・怪獣映画だということがわかっていると、観る姿勢も和らぎます。
以前も触れましたがハリウッド作品では時として、人間以外の登場を公表しないことがあります。それまで現実的に観ていたものが、突然の異物の登場によって非現実的な世界への切り替えを強いられます。戸惑います。戸惑っているうちに、終映を迎えます。エンドロールを眺めながら、その作品を観に来たことを後悔します。

その点、今作は副題に「漢江の怪物」と表示するほどの潔さ。安心できます。

監督は、ポン・ジュノ。「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」、どちらもよう出来てました。この監督は裏切らない、という信頼性は、映画には必要かと。よく「よい意味で裏切られた」という映画評があります。それは「よい意味」だから助かったわけで、普通に裏切られていたら先述のような後味の悪さが残るだけ。いつも似たような作品を撮る監督、となれば、それも「裏切らない」という点で信頼の置ける監督です。が、そんな似たような作品ばかり観るのもどうでしょ。

最近、韓国映画を観なくなりました。今作は「親切なクムジャさん」以来。つまり10ヶ月ぶり。その間、まだまだ続く韓流ブームで韓国作品は間断無く提供されていますが、見逃したぁ!と後悔する作品はひとつもありません。時間とお金を費やしてでも観たい!という欲求を喚起させる作品が無かったもので。それほどすでに韓流映画はマンネリ化しています。
今作は、ポン・ジュノ監督だし、出演にペ・ドゥナの名があったので。ペ・ドゥナについては「リンダ リンダ リンダ」の項で書いているとおりですが、先述の「ほえる犬―」の主演でもあります。
怪獣モノが観たければ、我が国は「ゴジラ」という世界に誇る怪獣を擁しています。怪物(グエムル)のCGがよく出来ているとの評も聞きましたが、映画におけるそういう技術には関心がありません。逆にCGを強調する映画は遠慮したいほど。
結局のところ監督と出演者次第、です。

今作の韓国での様子については、産経新聞がコラムで触れていました。「反日映画の敗退」と題し、今夏、同時期に「グエムル」と反日作品とが公開されたものの、観客動員で「グエムル」が相当な入りだったのに対し、反日作品は失速したとのこと。どれくらい水をあけられたかも知りたいものですが、いつまでも反日反日では興行も成り立たない、ということがわかってもらえると嬉しいものです。

札幌劇場にて(会員サービスデー)
■ 公式サイトはこちら
 
by top_of_kaisya | 2006-09-11 23:35 | 読/見/観