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【読後感】 禁煙ファシズムと戦う

禁煙ファシズムと戦う 小谷野 敦 + 斎藤 貴男 + 栗原 裕一郎 / ベスト新書

私はタバコを吸わないので、吸う方の気持ちがわかりません。
喫煙可能な場所が減っていくなかで、タバコを吸う方は肩身の狭い思いをしています。イライラするからタバコを吸いたいのに、タバコを吸えないからイライラする。そんな構図。小谷野先生のイライラ感は、もっと次元の高い、国の政策レベルで禁煙流行を斬る一方、通行人と憲法との矛盾を議論したりで、ファシズムとの闘争モードに昇華しています。

本書では、斉藤さんの書かれている部分が割合理解できました。視点が「吸わないひと」だからでしょうか。嫌煙権の広がりが、国際間の取り決めや健康的な側面で追求されていて、勉強になります。

本書は、禁煙禁煙ってうるせぇな!という側から書かれた論ですから、私のような禁煙席を好んで選ぶ者は読まないであろう、と小谷野先生も序文で書いています。確かに、タバコを吸わない者には不快になるような言い回しもあります。ファシズムと戦っているのだから、これくらいの挑発は必要なんだ!という迫力。悪く言えば、ドン・キホーテ。ここまで国際的・国内的に嫌煙が浸透してしまうと、戦う相手が国家なのか市民なのかわからない。そんなやり場の無い怒りも読み取れます。

【読後感】 禁煙ファシズムと戦う_c0032392_17373917.jpg歩きタバコとポイ捨てには、腹が立ちます。でも所詮はマナーの問題。モラルの問題。そんなこと、言われなくても守らねばならないものなのに、守らなかったから条例で規制されてしまった。自業自得。そんなところでしょう。
タバコを吸わない者は、タバコを吸える場所はたくさんみつけられます。分煙のカフェでも、眺めのよい席は、喫煙席。札幌ではまだまだ分煙などマシな方。禁煙席の無いカフェの方が圧倒的。北海道人の喫煙率の高さが反映されているのでしょうか。

喫煙可能なお店では、タバコを吸うも吸わぬも自由。ただ、ワインや珈琲など、香りを楽しむお店で、隣の席からぷかぷかと煙が流れてくると、不愉快。でも禁煙席ではないからお店にもその方にも訴えるわけにはいかない。そんなときのために、扇子を常に携帯しています。これで煙を逆流させます。扇がれて、吸うのをやめるひとは、いません。やめてもらおうとも思いません。私は、その方の嗜好品(タバコ)を楽しむ権利を奪うつもりも権限もありません。かといって、その方に私の嗜好品(珈琲)を楽しむ機会を奪われるわけにもいきません。
 
by top_of_kaisya | 2006-07-31 18:13 | 読/見/観