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【読後感】 点描 米山梅吉

点描 米山梅吉 ― 日本のロータリークラブと信託業の創始者
谷内 宏文 / 新風舎文庫

日本の、真面目なロータリアンなら、誰でも知っている方です。
「真面目な」と付けねばならないのは、新入会員を除いて、さほどRCに熱心では
ない会員には「誰それ?」という反応も予想されるためです。
そんな、真面目ではないロータリアンの真逆の著者は、いちロータリアンとしてではなく
会社の創始者としても米山梅吉を描き出そうとしています。米山論ではなく、また本人も書いて
いるように伝記でもない、米山ファンとして書き上げた大作です。文庫書き下ろし370ページ。
ロータリアンとして期待しながらページをめくっていっても、RCの話題に辿り着くには270ページ
ものあいだ、日本の歴史と信託の構造について勉強することとなります。
米山”社長”が新入社員にポケットマネーで入社祝いに名刺入れを贈っていたことや
大臣秘書官への声もかかっていたことなど、私にとって新たな側面を見出す機会となりましたが
すでに米山記念館を訪れているロータリアンにとってはご存知のことかもしれません。

ファンとして、とはいえこれだけの文献を調べ、自ら米山祖先の寺を回る場面などは、ただただ
敬服するのみです。
 
by top_of_kaisya | 2005-08-15 17:57 | 読/見/観