人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【映画】 情熱のピアニズム


99年に36歳で亡くなったミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー。
先天性の病で身長が1m、骨が折れやすいという障碍を負ったジャズピアニストです。

ドキュメンタリー映画は往々にして眠たいものですが、本作は全然。
障碍にめげず、というお涙に走りません。
陽気な性格と、勿論ピアノの腕前で人生を燃焼しました、という話。

女性をとっかえひっかえ、というのもいいキャラクター。
ですが、証言者の言葉の濁し方、「悪魔的」という言い回しに、音楽家にありがちな世間知らず感が見えます。
そこに障碍者としての僻みは無かったものと信じたい。

音楽ドキュメンタリーなのに、音楽の「曲」としての登場は少なく、ただ技術は健常者に勝るということだけはわかります。
曲を聴きたかったらCD買ってね、ということか。
息子への遺伝の部分は、少しぼかし気味。
移動が困難だけど、信頼する人にしか自らを運ばせないというのは、いい話。
女性に抱っこしてもらいたがったのもいい話。ここで笑いが起きないのが観衆ちょっと真面目過ぎ。

シアターキノにて(札幌初日初回)

by top_of_kaisya | 2013-01-05 13:15 | 読/見/観