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【読後感】 限界集落と地域再生

限界集落と地域再生 大野 晃 / 北海道新聞社

「限界集落」概念の提唱者。
国内、あちこちの現状を伝えてくださいます。
それらが見事なまでに、似たようなもの。林業が廃れ、若者が都会へ出て行き、老人が残され、地域(集落)経済は年金で動いている、という現実。
そういった集落が崩壊すると、木々の手入れが疎かになり、ひいては水資源や防災の観点でも問題が生じる。
どこもかしこも。なので読んでいるうちにdéjà-vuに陥ります。

こう言うと過疎や地域問題に真剣に取り組んでいる方々にお叱りを受けるかもしれませんが、限界集落の行き着くところ=消滅集落というのは、歴史上数え切れないほど存在したかと。
なぜ、こんなところに遺跡が。というのは、いわば消滅集落。マチュピチュとか。消滅に至った経緯はいろいろありましょう。昔だから戦争・侵略・民族移動もあったでしょうし、飢饉・気象が要因だったり。
地球温暖化を止めようとか、少子化をなんとかしようとかに似て、あ、こういうとまた環境問題を論じる方々や福祉関係者にも叱られるけど、抗ってどうにかなる、どうにかすべき課題と、自然の摂理は別物なのでないかなぁ、と、報道ステーションの古舘某のしたり顔を見るたび毒づきたくなります。
事情はどうあれ、限界集落は太古の住民問題につながる、かと。

本書、都会の限界集落には、ちょっとだけ触れています。
これもひも解くと、興味深い。図書館で借りました
 
by top_of_kaisya | 2010-04-01 18:45 | 読/見/観