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【読後感】 檀ふみの茶の湯はじめ

檀ふみの茶の湯はじめ 檀 ふみ / アシェット婦人画報社

「婦人画報」連載企画をまとめたものです。
初心者の壇さんが1年半後に茶事を開くまでの軌跡。
企画モノですから、現実にはそんなに簡単なものではありません。
でもそこはさすが「婦人画報」。1回1回が贅沢。坐禅は大徳寺・松源院で泉田玉堂老師に教わり、お茶は小山園で轢き、樂茶碗は15代当主、などなど。揚げ句、お家元直々のお稽古。

「失恋したからって、安易にお茶に走っちゃダメよ」は、一種の禅語である。

「最上のお茶は14歳の処女が手を使わず唇で摘んだもの」は中国のお話。

阿川佐和子さんとの掛け合いが、もっとも壇さんらしい。
米国実業家I氏による茶事も紹介されています。オーケストラ・アンサンブル金沢が客ひとりのためにビートルズを奏で、金沢21世紀美術館の回廊の薄茶席でマグリットの「公園」を床に見立て、濃茶席はヴェネツィアビエンナーレでグランプリを受賞した20mのオブジェが天井から下げられる。月釜では考えられない趣向。これぞ数寄者。図書館で借りました
 
by top_of_kaisya | 2009-11-01 23:41 | 読/見/観