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【panel discussion】 足利事件・菅家利和さんと語る真実

下野新聞サイトより借用新党大地勉強会(大地塾)の例会。足利事件の菅家利和さんを招いてお話を伺うとのことでかでるホールへ。
司会は、小樽市議で高校後輩の成田君

急きょパネルディスカッション形式になったようで、開会時刻になって演台等が動かされました。
コーディネーターを先日まで「起訴休職外務事務官」だった佐藤優さんが務めます。最高裁判決が出たことで外務省を「定年退職」になった顛末が冒頭報告されました(笑)

ゲストに松山千春さん。鈴木宗男先生の隣に座ります。菅家さんの隣には弁護人を務めた佐藤博史先生が座り、対照形に。

話術に長けた方々の中に菅家さんがポツンと置かれた感じ。なので時折、千春さんや佐藤先生が話を振りますが、流れに乗れないコメントをぽそぽそと発するだけ。でもそれを聴衆は聴きに来たので、会場静まり返って聞き耳を立てます。

仮釈放では、塀の外の生活に馴染ませるための”リハビリ”が用意されます。菅家さんの場合、いきなり放り出された形で、ホテルに泊るにもセンサー作動の水道を使えないなど不便があったそうです。
また、菅家さんには1年間の尾行がついたものの、別件で引っ張ることさえできないほどの誠実な生活を送っていたそうです。
そうしたエピソードをまじえながら、警察・検察がいかに横暴なものか、弁護士・裁判官がいかにあてにならないか、をこの事件を基に展開されます。とりわけ逮捕経験者が主催者とコーディネーターなので、迫力があります(笑)

借用千春さんが「この会場のみなさんも、いついきなり逮捕されるかわからないんですよ!」と呼びかけます。その恐ろしさを体験した菅家さんを目の前にしては、現実感があります。
救援連絡センターが発行する「救援ノート」というのがあります。私は学生時分、模索舎で入手しました。逮捕された時のためのマニュアルです。活動家ではなくても(この本は元々が左翼関係者のために書かれたもの)、悪人ではなくても、というかそういう警察の厄介になりそうな人ではないほど、無防備で、予想もしない事件に巻き込まれたりするもの。痴漢冤罪も。そういうのを想像するだけで恐ろしい。

DNA鑑定を物証にしようとしたら、それがために冤罪になってしまった。それを佐藤さんは今後、科学的根拠を回避して自白のみで動くのではと危惧します。あわせて、菅家さんと栃木県警本部長について、「謝る力」と「赦す力」と称していたのも印象的でした。

佐藤弁護士から、本部長謝罪に至る経緯が披露されました。当初県警から出向くというのを断り、逆に栃木へ行く、と言うと今度は警察車両で迎えに行く、と。それも断ったそうです。この謝罪が実現したのは、菅家さんの支援者が活動家ではないのがひとつの要因だとのこと。つまり警察・権力糾弾になる。
もうひとつの要因は、本部長が石川正一郎氏だったこと。壇上のみなさん「謝罪したことで石川本部長は出世の道が断たれた」で一致。官僚の存在意義であるその出世をかえりみずに謝ったのは、官僚機構を知る人々には驚きだったのだそうです。

会場には多くのメディアが詰めかけ、報道席は満席。一般聴衆のなかにも知ったひとが結構いたり。
観客席もほぼ満席。今日は札幌では最後の花火の日。それをさておき集まったことについて、一応唯一の札幌市民として千春さんにはひとこと、触れておいてもらいたかった。
追記 : 本投稿文がこちらのブログで引用されました。恐縮。
 
by top_of_kaisya | 2009-07-31 20:49 | 読/見/観